第2回目

今回のテーマは
審美歯科治療
−歯の装いについて−

狭川 正


 私の医院では「審美歯科治療」を看板に掲げています。ところで、審美歯科治療と言う言葉はまだまだ日本ではなじみが薄いのか、審美歯科治療を希望して治療にこられる患者さんは少ないように思います。

 正確に統計を調べたわけではありませんが、大雑把には審美歯科治療の患者さんは患者さん全体の1割前後ではないかと思います。そこで、今回は審美歯科について少し説明したいと思います。

 そもそも「審美歯科」と言うのはなにやら堅苦しい言葉ですね。

 これは英語の「Cosmetic Dentistry」を直訳し、日本語をあてたのではないでしょうか。まるで明治時代の外来語翻訳の手法と同様の手法を適用した結果、このように難解な日本語の誕生となったものだと思います。この呼び名のルーツから察することができますように、歯に対する おしゃれ心は西欧、特にアメリカからの輸入文化です。

 日本での「歯のおしゃれ」に対する取り組みはどちらかというと消極的です。一方、アメリカ人は歯のコスメテックにたいして大変積極的です。年齢に関係無く、つまり年配の老人でも歯を白くすることに積極的です。歯並びに対する関心は、あるいは目鼻立ちに対する評価以上かもしれません。そのため、歯並びに関する治療の技術にはかなり歴史があり、安全性が確立されています。

 その結果、歯並びの矯正に伴うリスクは費用のみとなりました。矯正があまりに当たり前の治療になったため、以前は目立たない様に半透明のゴムを使っていた所に今ではわざとカラフルなゴムを使ったりしています。たとえば好きなプロスポーツチームのチームカラーにしたり、季節感のある色を選んだりという様な具合です。

 つまり、経済的に裕福な階層に属する人々の子女は、高等教育を受けることと同一のレベルで歯の矯正を行うというように、歯の矯正が社会的ステータスを示すものさしとして位置づけられてしまいました。

 しかし、ほとんど歯並びが揃う事に価値を見出さない日本人は、「八重歯が可愛い」などという欧米とは全く逆の歯に対する審美感があります。八重歯の特徴の印象で売れているタレントや女優さんもいましたね。もっとも顕著な事象は、皇室を代表するさる方の「八重歯」です。欧米ではあのように高い社会的ステータスの方が「八重歯」を治療もせず放置しておくことは信じられないような文化の違いようです。

 この日米(欧)の違いの原因について私はつぎのように推測します。先ず、欧米の「キス」文化が「歯の美しさ」について深く関連しているように思います。また、「キス」のみならず「抱擁」文化は顔や身体の「美しさ」、「清潔感」に対する深い「思い入れ」に繋がるのではと思います。かたや、日本人は古くからの儒教思想故か「なるべく身体に手を加えない事が善し」というような道徳感があります。

 このように矯正や機能の為以外の歯の加工については日米(欧)では矛盾する価値観、考えが根底にあるようです。

 私自身の歯のコスメテックに関する基本的考え方の精神は、どちらかというと「日本より」です。つまり、歯にダメージを与えないような治療はお奨めです。しかし、歯を削って白くするような歯にダメージを与える事は、お奨めしません。勿論機能的に問題のある歯の歪みの矯正、事故による矯正治療は積極的に行います。

 まとめに歯のコスメテックの種類を整理しますと、

 1.白くする。
      -1.薬品によるブリーチ
      -2.削って白いコーティングを施す

 

 この方法はエンブレスというセラミック性の製品を貼り付ける技術で米国では主流です。
 数年前に、このエンブレスが普及してからまるで「エンブレス」というと、歯を白くする魔法の杖のように崇められ、施術されています。(今では、エンプレス2という新しい商品になっていますが)


 2.歯並びを矯正する。
 3.歯に飾りをする(金属や稀少石、ガラスなどの飾り物を付ける)。

 

 歯を傷めず簡単に接着できますので「遊び心」で試してみるのは面白いです。 )

 以上です。

 欧米の結婚式に招待されたら、歯にはくれぐれも気を付けてください。


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